若者の死亡事故激減 20年前の7分の1に 中日新聞

16〜24歳の若者が運転して亡くなる交通事故が激減していることが、県警のまとめで分かった。2009年は13件で、20年前の7分の1。専門家は、背景について少子化と合わせて「1970年代ごろは自己表現の手段として車なり単車を乗り回していたが、手段が多様化したのでは」と指摘している。

 県警交通企画課によると、原付きバイクや車などを運転する若者が起こした死亡事故は、1989年で年間88件あった。99年にほぼ半減し、08年は15件となった。

 警察庁によると、全国的にも若者による死亡事故は20年前の5分の1ほどに減少。県警の担当者は「事故対策の中心は完全に若者から高齢者に移っている」と明かす。

 少子化で若者の免許人口が減っていることもあるが、免許保有者数は20年前の7割程度になっただけ。原因を見てみると、若者が起こす事故の多くはスピード違反だが、その割合は10年前と比べて半分ほどになっている。

 県警交通指導課の担当者は「車離れが進み、信号が変わると同時に急発進してスピードを競う『ゼロヨン』と呼ばれる競争は今では見られなくなった」と説明。県警少年課は「20年ほど前に柳ケ瀬周辺で車を乗り回していた『神田族』も姿を消し、屋内でゲームをしたりする若者が増えたのではないか」と見る。

 若者文化に詳しい関西学院大難波功士教授(社会学)は「車やバイクの暴走ではなくヒップホップやよさこいなどのダンスなど自己表現の場が広がったことも影響しているのでは」と推測している。

(中崎裕)

自己表現・・・

最初から自己なんて存在しないのに